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2025/04/05(Sat)02:36
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2018/07/25(Wed)08:36
二十八日杭州市郊外余杭区にある径山寺に参拝。ここも中国五山のひとつであり日本の茶道や金山寺(径山寺)味噌の発祥の地であると云われている。高野山を彷彿とする深山の上にあるが、山麓より立派な道路が整備されている。境内には古い建物と新しい建物が共存しており、至るところで造成工事中である。次々に大きな堂塔が建ち上がっているようであり中国仏教復興の勢いを感じる。
続いて龍光寺に参拝。ここはまだ小さな庵が一つ建っているだけであるが、裏山には元の時代に作られた十数体の磨崖仏群がある。一部破壊された跡も見られるが未だ発見されてないものもあるという。近年中国政府によって最重要文化財に指定されており、月満師はここに龍光寺の伽藍を復興しようと尽力しているところである。現在二階建ての僧院を建築中であったが、何年かすればここにも見ちがえるような大伽藍が聳えているのであろうか。夜、地元の名士に招かれ夕食を共にする。
二十九日杭州市街を観光。西湖南岸にある雷峰塔を訪れると、雲南省より来たという篤信の青年が待ち構えており入場料を布施してくれると云う。車椅子の松本大和尚に対面して五体投地の礼を執られた。話を聞くと雲南省の仏都鶏足山の関係者であり、新しく鋳造する梵鐘に尊勝陀羅尼の梵字を刻みたいとのこと。後日書いて渡す約束をして別れる。
三十日西冷印社見学、西湖で舟に乗り穏やかなひとときを過ごす。昼は道教の寺院である玉皇山福星観に参拝して精進料理を頂く。片付けと全ての予定を終了して、三十一日帰国の途に着いた。
中国の仏教は国家による厳しい統制下にあるのかと想像していたが案外活発に活動されており、文化面からも観光面からも復興が奨励されているような感じを受けた。現在公認されている仏教は浄土宗と禅宗色が強い顕教であるが、今後は密教に関心を持つ人も増えてゆくであろう。殊に梵字や真言に関しては、中国経由の悉曇が伝承されている日本への期待が高まっていると感じた。
(この文章は『高野山時報』平成30年7月21日号に掲載されたものです)
No.615|悉曇|Comment(0)|Trackback